鵜飼といいますのは、
人間が鵜を使って魚を獲らせる漁法です。
イメージとしてはごく日本特有に思われますが
紀元前より世界中で行われてきました。
ピラミッドの絵にも描かれてますし、ヨーロッパの貴族達も
中国の人達も、日本では貴族の人達も、武士も庶民も
皆、鵜飼をやっていました。
ただ他の国と日本で決定的に違うのは、『鮎』です。
スポーツや単なる魚を獲る為ではありません。
日本人は良き水、そして鮎を求めて広がった、
という面白い説があります。
なるほど、ぐるりと海に囲まれ、無数の急勾配な川は
豊かな山々と直結。そして鮎は毎年川中真っ黒になって
やって来ておりました。
基本的に鵜は魚なら種類を問わず何でも口にするのですが、
ほとんどは鮎です。
最近は比率が下がってはいますものの、鮎の夜の性質として
①石影で隠れている
②光を嫌う
③音に敏感である
④瞬間的に川上に走る
よって、かがりの火と船をたたく音により、
逃げる鮎を鵜が捕らえるのです。
鮎は雑魚と違って数も多く、川底を一斉に走る為
捕らえやすいのか、新鵜も慣れてくると次第に岩陰を
縫って泳ぐようになります。
あ、そうそう。もう一つの鮎の性質。
それは…
⑤日本人に世相を占わすこと
古えより皇室では甕(かめ)を川に沈め
‘魚‘の入りで‘占‘いました。
すなわち鮎であります。